おでん文庫の本棚

大人もこどももみんなで味わう児童文学をご紹介

【雑記】広がっていくんだね

 

 こんにちは!今日は主戦力として使用しているパソコンの電源が突然入らなくなり、かなり落ち込んでいました。こんな状況でブログが書けるのか心配でしたが、書いている内に諦めもついてきた気がします。いろいろゴタゴタしそうですが、やるだけやろうと思います。

 

 さてさて、前回に続いて読書について書こうと思います。

 

 おでん文庫を始める少し前は、本を読むことを続けていけるのか、良い本と出会えるのか、など悩むところから始まりました。棚に本を置くという事は、自分が選んだ本たちとまずは出会わなければなりません。みなさんは出会いに積極的でしょうか。

 

 子どもの頃、小学校の近くにある市民会館内に用意された図書館で本や漫画を読んで過ごすことがありました。ぴょこたんシリーズやこまったさんシリーズなど、よく繰り返し読んでいた記憶があります。テレビドラマで出てくるような、主人公がしかめっつらのお偉い人達と対面バトルする広々ピリピリとした会議室よりもずっとこじんまりとしていて、確か床がカーペットとなっていて靴を履く必要も無く、くつろげる空間でした。

 

 次に身近にあったのが小学校の図書館です。ウォーリーのシリーズが好きで、学校の図書館でも読んでいました。子どもに人気のある本は、借りるタイミングが合わなければ読むことも出来ず、そうしてレアな本は希少価値を上げ、誰かに借りられることを阻み自分が楽しむことを良しとしようとする者たちの手によって、本来あるべき場所ではない人気のない本棚に置かれていることがありました。そうした、場違いの場所に置かれてしまった本をうっかり見つけると、探しものを見つけるのがまるで得意になったような大きい気持ちになっていました。

 

 この2か所の図書館では、本を手に取ることに悩んだ記憶があまりなく、手の届く本を自然と読んできたように思います。もう1か所を除き…。

 

 悩やみを持ち込んだもう1か所というのが、市の図書館でした。面積も本の数も先に上げた図書館の何倍にもなります。多くの本に囲まれ、それらすべての中から読みたい本を選び放題という、これがお菓子の掴み取りであれば間髪入れずに手を伸ばしてお菓子の入ったケースをにやにやしながら引っ掻き回したことでしょう。しかし大量の本を前にして、はにかんで、ただ途方に暮れて、何の本も手に取らずに帰宅するという事態となりました。親に図書館に行きたいとすがって行ったはずが本を何も借りないとあって、親はさぞ面食らったと思います。

 

 このときの、怖れと言ったら大げさですが、例えば外国語を学ぶ際に立ちはだかる、何千語と覚えなければならない単語集を前にしたときのクラクラとしためまいを催す感覚を思い出します。一歩踏み出す前に、それらに途方もないものを感じてしまったのです。

 

 このように随所に引っ込みがちなところがあったもので、おでん文庫を始めるときにひとつ良かったと思ったことが、テーマを決めたことでした。気持ちとしてはたくさんの本を読みたいけれど、たくさんある中から一冊を選んで手に取り、その本を読み切ろうというまでのやる気が、足りないというよりも消失しがちでした。読む本の数が少なかったときほど、本を読んでそれが何になるのか答えも無く、コスパという言葉の表面が自分の心を揺らがせて、実のあることに時間を費やす方(それもなんだか良く分かってないのですが)がいいのでは、と行動を鈍らせていたのです。そこで、読む本のテーマを決めることで編み出した技が、図書館の検索窓にワードを入れて出てきた本を手当たり次第読むことでした。

 

 おでん文庫を始めるにあたり最初に読もうと決めたのは、児童文学で心打たれた『ハイジ』に関わるものたちでした。図書館の検索窓に「ハイジ」、「スイス」、「岸田 衿子」、「矢川 澄子」、「ハイジ アニメ」など思いつく限りを入れていき、上限20冊まで思い切って借りてみたのでした。

 

 そしてここでもうひとつ、本を読む姿勢で影響を受けたのが、沢木 耕太郎さんの『旅のつばくろ』です。作者が一期一会の旅の出会いに心を動かす姿は、本を読むのも同じで、関心を寄せる姿勢がなければ自分の感じたことに気が付く機会が失われ、都心で通り過ぎる人たちの影と同じようになってしまう気がします。そして、物書きの姿勢として、書くものを徹底的に調べて向き合う姿、これは人との付き合い方の姿勢にも繋がるような気がしていて、そうしたお人柄が自分にはまぶしく映ります。私もブログで取りあげる以上、その本と向き合おうと心に決めました。

 

 そうして読み始めた本は、思った以上に広がりを持って、今に続いています。スイスの作家や絵本を知り、鉄道や民家に書かれた壁絵、仏検でスイスの時計の話題が出たときには、本で読んだことがある内容だと小躍りしました。知ることの面白さがちょっと見えてきたのです。

 

 そうして、今に至ります。これからも、本との出会いを楽しみに、そして本棚でもこのブログでも紹介していきたいと思います。ではでは次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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【雑記】広がる読書の話

 こんにちは!ブログで毎週文章を書くようになり、もうすぐ1年(そういえばおでん文庫を始めたのが昨年2月なのでもう1周年じゃないか…)という節目が訪れそうです。

 

 ブログを始めた頃は、このお菓子美味しかったよ、と誰かにお勧めするように、自分が読んでよかったなあと思う児童文学を伝えたいという想いと、文章を書かなければならないという憂鬱とを天秤にかけてずっとまんじりともせずでした。毎度ひーひーしながら書き続け、今となれば1年前よりかは書くことへの習慣が身についてきた実感も出てきて、なんとか今年もやっていけるかなと思っていたところで出会ったのが、椎名 誠さんの『ガス橙酒場によろしく』。ここで作者が雑誌「週刊文春」での連載1000回目を迎えたことを触れるお話がありました。このブログも週1更新でもうすぐ90記事を迎えるというところで、大きな数字を見てしまいました。作者の生きのいい暮らしと文章に、私自身も弾んだ気持ちになってくる明るい本です。こんなに朗らかな調子で、鼻歌が似合いそうな文章ときたら、毎週読むのが楽しみになる連載に違いないですよね。

 

 さてさて、おでん文庫の今年一年の大きなテーマにしているのが”広がる読書”。広がる、という言葉は昨年を通して思い浮かびました。これは自分自身が発信して広げているという自覚があるとか、行動しているということではなくて、自分のところに集まってきた本を手に取ったときに、受け手側として、こうして本が広まるんだなと感じたところにあります。

 

 冒頭に書いた椎名 誠さんについても、そもそもはSNSを通して知る機会を得て、読んでみたことが始まりです。おでん文庫を始めたことをきっかけに、会話の流れの中でお勧めの本を教えていただく機会がポツポツとあり、その本を読んでみるとこれがまた面白く、そのようにして1冊の本から次の本へ、人から人へ、バトンが繋がっていくようなイメージが頭の中に描かれていきました。

 

 他所の本棚に自分のお勧めの本をねじ込もうという気持ちは無いのですが、読んでいる本が何かしらをきっかけにして広がることで、頭の中の本棚もひとまわり、ふたまわりと育っている、そんな風に想像をしています。

 

 最近では、色彩の調和に関する本の中で、宇宙を数字で捉える手段と同じくして音楽の調和を数字で解き明かす、といった内容に触れてどういうことなんだろう、と気になりだして宇宙関係の本を手に取ったり、椎名さんの本を読んでSFも気になってきました。

 

 言葉ではさらっと登場してくるのですが、宇宙と音楽、エッセイでSF、あっちからこっちへジャンプするくらいに扱うもの同士に距離感があるところが面白く、転がっている新たな冒険の種を掴む機会となるように思います。人に対しても例えば、パンクを歌うパティシエ、高所恐怖症なパイロット、といったちぐはぐに思えるところがあると、なんだか興味をそそられませんか。

 

 なんて言いながら、すみませんこのジャンピング読書は最近のチャレンジで、おでん文庫を始めた当初はもう少し、直球に本を読み漁っていました。あまり本を読んでいないころは、漠然とですが本は個々が独立したものとして思っていたのですが、いくつか本を読んでいくうちに、読む本が広がると同時に繋がっていく、そうした面白さを感じるようになりました。

 

 そのあたりについては、次回の更新で書いていこう思います。ではでは、次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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【おでん文庫】1~4月のテーマ ”おうちの本棚"

 こんにちは!週末に南と華堂さんに伺い、とうとう2024年のおでん文庫の本棚が始まりました。

 

 1~4月のテーマは

 おうちの本棚

 です。

 

 おうちの本棚のように、気取らず、かしこまらず、並びも自由に、好きな本を寄せ集めました。

 

【本リスト】 ※1/27時点

  • 『幼い子の文学』
  • 『今ここに生きる子ども 気分は小学生 百石小学校四年竹組留学記』
  • 地震と火山の島国 極北アイスランドで考えたこと』
  • 『THE WINTER CAT』
  • ハリネズミの願い』
  • 『ホテル カクタス』
  • 『片手いっぱいの星』
  • 『来て見てシリア』
  • 『風にいろをつけたひとだれ』
  • 『こそあど森のおとなたちがまだ子どもだったころ』
  • 『夜の小学校で』
  • 『こぶたのレーズン』
  • 『こぶたのレーズンとおともだち』
  • クヌギ林のザワザワ荘』
  • 『小さな山神スズナ姫 (小さなスズナ姫)』
  • 『漁火 海の学校』
  • 『おつきさまのキス』
  • 『14ひきのアトリエから いわむらかずおエッセイ集』
  • ハンガリーのかわいい刺しゅう』
  • 『ゆきのプレゼント』
  • 『ともだちつれて よろしいですか』
  • 『あんちゃんのたんぼ』
  • 『火山はめざめる』

 

  『幼い子の文学』

 瀬田 貞二 著

www.chuko.co.jp

 

 『今ここに生きる子ども 気分は小学生 百石小学校四年竹組留学記』

  斎藤 次郎 著

www.iwanami.co.jp

 

 『地震と火山の島国 極北アイスランドで考えたこと』

 島村 英紀 著

www.iwanami.co.jp

 

 『THE WINTER CAT』

 Howard Knotts 作

 ↓記事はこちら

冬ってなんだろう?から始まる猫の物語 - おでん文庫の本棚

 

 ハリネズミの願い』

 トーン・テレヘン 著 長山 さき 訳 祖敷 大輔 イラストレーション

 ↓記事はこちら

想像力豊かなハリネズミの物語 - おでん文庫の本棚

トーン・テレヘンさんの大人に向けた本たち - おでん文庫の本棚

 

   

 『ホテルカクタス』

 江國 香織 著 佐々木 敦子 画

www.shueisha.co.jp

 

 『片手いっぱいの星』

 ラフィク・シャミ 作 若林 ひとみ 訳 太田 大八 装丁

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星を掴む子ども - おでん文庫の本棚

 

 『来て見てシリア』

 清水 紘子 著

 

 『風にいろをつけたひとだれ』

 岸田 衿子 著

 

 『こそあど森のおとなたちがまだ子どもだったころ』

 岡田 淳 作・絵

www.rironsha.com

 『夜の小学校で』

 岡田 淳 作・絵

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大人がみつけるワクワクの種 - おでん文庫の本棚

 

 『こぶたのレーズン』

 バーリント・アーグネシュ 作 ブローディ・ベラ 絵 うちかわ かずみ 訳

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ハンガリーで生まれた、かわいいこぶたの物語 - おでん文庫の本棚

 

 『こぶたのレーズンとおともだち』

 バーリント・アーグネシュ 作 ブローディ・ベラ 絵 うちかわ かずみ 訳

 

 クヌギ林のザワザワ荘』

 富安 陽子 作 安永 麻紀 絵

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お互いを認め合う関係が心地よい物語 - おでん文庫の本棚

 

 『小さな山神スズナ姫 (小さなスズナ姫)』

 富安 陽子 作 飯野 和好 絵

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かわいくて度胸のある日本の山神さまの物語 - おでん文庫の本棚

 

 『漁火 海の学校』

 梅田 俊作 作・絵

www.poplar.co.jp

 

 『おつきさまのキス』

 リン・マヌエル 文 ロビン・スポワート 絵 片山 令子 訳

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 『14ひきのアトリエから いわむらかずおエッセイ集』

 いわむら かずお 文・画

www.doshinsha.co.jp

 

 ハンガリーのかわいい刺しゅう』
 チャルカ(CHARKHA) 著

www.shc.co.jp

 

  『ゆきのプレゼント』

  ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ 文 ライナー・チムニク 絵 矢川 澄子 訳

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家に入れる人数は無限大? - おでん文庫の本棚

 

 『ともだちつれて よろしいですか』

 ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ 作     ベニ・モントレソール 絵

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友だちの友だちは友だちの絵本/友だちテーマの本を募集 - おでん文庫の本棚

 

 『あんちゃんのたんぼ』

 梅田 俊作 作

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弟と兄のかけがえのない日々 - おでん文庫の本棚

 

 『火山はめざめる』

 はぎわら ふぐ 作 早川 由紀夫 監修

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火山の活動がわかる絵本 - おでん文庫の本棚

 

棚を借りている【南と華堂(なんとかどう)】さんの公式サイト↓

peraichi.com

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 これからどんな風に紹介にしていこうかをまだ悩み中なのですが、引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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【雑記】おでん文庫のしおり完成と今読んでいる本

 こんにちは!ここ最近は手がかじかむ寒さですね。今年の冬は通販サイトのフェリシモで見かけた猫のハンドウォーマーを活用しています。手の平側にそれぞれ、おなかを見せてころんと寝ころがる猫が描かれている仕様で、なんとも和みます。今日も手の中の猫たちと共にブログを書いてまいります。

 

 ところで今回の記事では、予告をしていた1~4月の本棚を紹介する予定でしたが、諸事情でまだ本屋へ伺うことが出来ておらず、本棚については今週末にお店に行けたところでご紹介出来ればと思います。

 

 ちょっと余談ですが、今回棚に置く本は20冊を超える予定です。今まで4冊毎の紹介だったのが、一気に5倍に。肩に背負って持って行こうにも、それだけ入るリュックもなく、とうとうトランクケースを使用することになりました。

 

 本棚の中にある20冊というと、全体と比べてほんの一部なので大した量ではない様に感じますが、その本を運ぶとなると話は別で、なかなかの大仕事に思います。ここから思い出すのが、『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』の本。ノンフィクションの話で、イタリアの山奥の村から、本を必要とする人々のところへ籠を背負って本を届ける行商人が出てくるのですが、本を人に届けるという使命感で長い道のりを行く人がいたということに、響くものがあります。

 

 今週末こそ本を運ぶとして、今回の記事では、今読んでいる本の紹介をしようと思います。でもその前に、おでん文庫の本に挟む予定のしおりが届いたので、そちらをお披露目させてください。

 

 おでんと「ぐつぐつ」の文字は、折り紙をちぎって作りました。チェックの折り紙が家にあることを思い出して、その場のひらめきでおでんをチェック柄に決めたのですが、折り紙だからか、チェックの可愛さに少し古風な雰囲気が加わりました。紙質は画用紙のようなデコボコ仕様です。厚めの紙でとてもしっかりしいるので長持ちしそうです。完成したしおりを本に挟んでみたところ、全体の落ち着いた色合いが本の紙とも馴染みが良く、安心しました。

 

 ここしばらく試しにしおりを使っているのですが、色眼鏡がかかってしまって、つい眺めてはうっとりしています。まるで親バカですみません。

 

 そして、本日紹介するのはこちらの本です。

 

 トウシューズ

 ルーマ・ゴッデン 著 渡辺 南都子 訳

 

 同じ作者のハロウィーンの魔法』という本が面白かったのを覚えていて、今回この本を手に取りました。しかも作者の著書を調べていたら『台所のマリアさま』も同じ作者あることに気が付きました。作者の本は、人が人と関わる中で良い方へ変化していく様子が描かれているのがとても心に残ります。今回もそんな期待を胸に読み進め…中です。そう、まだ読みかけなのですが、今のドキドキ感を文章に書こうと思いました。

 

 本を読んでいるときに、心に留まるシーンと出会うことがあります。それが例えば、今の自分の心境や考えごとと偶然にもうまく合致して、なんらかの新しい発想と出会うことがあります。この本では、ちょうど主人公の子どもが、目の前に現れた人生の道を進むかどうするか決断する瞬間がありました。また、決断と同時に責任を自分で背負う覚悟も感じます。

 

 こういった何かを自分で決めるシーンというのは、ジブリの「千と千尋の神隠し」であったり、「君たちはどう生きるか」を思い出すのですが、経験からの判断ではなくて、直感的に選んでいる、という雰囲気を持っているところが、大人ではなく子どもなのだろうと感じます。そうした直感的な判断の素早さを、この本を読んだときにも感じました。

 

 大人ではなく、と否定的な書き方をするのも、自分が大人なのでその立場の方が想像がしやすく、もし大人だったら、おそらくしばらく考えて言葉を選んだり、選んだ理由を心の中で言いきかせたり、相手がいれば逆質問をすることがある様に思います。となると、子どもだからこそ、自分の中でスッと答えを出せるのかもしれません。

 

 日常が一転するような決断をなかなか自分は選べていた気はしないのですが、だからこそ、そうして変化を迫られる状況がやってきたときに、どう立ち向かっていくか、というのを教えてくれるのが児童書のいいところのひとつだと思います。子どもの可能性を勇気づけてくれるところを、大人が読んでも、心に残ることに変わりはありません。

 

 主人公の選択がどういう結果になるのかは、私自身、続きを読んでのお楽しみです。ハラハラしながら主人公を見守ろうと思います。

 

 それでは、次回こそ本棚紹介が出来ればと思います。またどうぞよろしくお願いします。

 

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【おでん文庫】今年から始めるもうひとつのこと

 こんにちは!たまに、建物の本をぼーっと眺めていたくなることがあります。最近は日本の古民家と言えそうな家が載っている本を眺めているのですが、あの佇まいに触れると、心が穏やかになります。祖母の家のように、縁側のある家に住みたいな。それか屋上のある家。会社の屋上で寝っ転がって寝泊まりしていた時の空が好きでした。

 

 さてさて前回の記事では、次回の更新は本棚の紹介になるとお話していたのですが、その前にもうひとつご紹介するものがあります。

 

 ほんとうに直前にやることを決めたので、まだ現物もなくデザインのみが手元にある状態ではあるのですが、そのものが何かというと、本に挟むしおりです。

 

 

 この画像は、しおりの一部分になります。おでんの形がなんとなく伝わるでしょうか?手で紙をちぎって形を作っていたのですが、丸って難しい…。

 

 こうなったのも、今年は手作りPOPを無しにしたことから始まったように思います。そもそも、手作りPOPなど、集客や販売に結び付くか曖昧で手間がかかることをどうしてやるのか…自己満足かと言われてしまうところもあるかもしれないのですが、以前何かの本かなにかで、子どものものを扱うのには、大人が人一倍努力しなきゃならない、という言葉を聞いたことが影響として大きいです。

 

 作家のいわむら かずおさんの絵本制作のお話を聞いていると、一冊の絵本が出来上がるのに相当な労力と時間をかけていることがが伝わってくるのですが、そうした心血を注いだものたちの良さというものは、原画ではなく印刷を通してとはいえ、見て伝わってくるものがあると思います。

 

 努力を自分の場合どの方向に使うのか、正直まだ定まっていないところがあるのですが、今できることで考えたときに、文字を書くときの線に人間味が出てくるように、何かを手作りして、そこに手間をかけたいと思うようになりました。そうしてたどり着いたのが手作りPOPでした。

 

 こうして始めた手作りPOPを昨年は粛々と作り続けていたのを、今年からは棚と本の関係を考えるために無しにしようと決めた今年の初め、新しい糸口を発見する出来事がありました。

 

 長年の友人が務めている仕事の展示物を見に行ったときのことです。展示物が手作り祭りでした。友人の綺麗な字ですべて説明書きがされていて、展示方法もボードにカラフルなピンで写真を留めたり、マステで装飾したり、手作り感あふれた素敵な展示に、なんだか感動がこみ上げたのでした。

 

 そんな友人が、自分の手作りPOPを良いなと思って参考にしてくれたと後から聞き、すごく嬉しかったのです。友人と同じようにやれているかはさっぱりですが、手作りに囲まれたその空間は、ほんとうに友人のあたたかさを感じて素敵でした。

 

 やはりなにか作らなくては…。そうした気持ちになったことで、実は以前から作りたいと思っていたもののひとつであるしおりが、再度候補に上がりました。なぜこれまでずっと手付かずだったのかというと、昨年はおでん文庫のかたちや佇まいといいますか、どういう存在なのかを具体的に想像できずかたちにできなかったのと、そこまで何かを主張をする自信が無かったのが理由です。

 

 ただ、今はありがたくも、おでん文庫のことがほんのりとでも誰かに届いている実感があるのと、いろんな本を読んでいる中で、読書を人におすすめすることに自信がついてきて、今回はしおりをどういうデザインにしたいかをスパンと潔く決めることができました。すんなりいったのが嬉しいのとびっくりとが同時にやってきて、今はまだちょっとドキドキしています。

 

 一部はパソコンの力を借りて画像加工やデザインを組むことをしていますがこれも自分が培ってきた大事な技術のひとつであるので使いました。一部は紙をちぎるなど手作りしたことで、ちょっとでもぬくもりを感じられる要素が感じられたら嬉しいことこの上ないです。

 

 このしおりは販売ではなく、購入してくださった方へささやかなプレゼントで考えています。お店で本を開くきっかけになればと思っています。

 

 印刷の具合と、到着のタイミング次第では、もしかしたらしおりの実物を用意できるのが来月以降になるかもしれませんが、今月本をご購入の方でしおりのご希望があれば喜んで送付させていただきたいと思います。しおりは実物が無事届きましたら、ブログで全体像と共にご報告します。

 

 ではでは!次回こそ本棚紹介、もしくは棚に置く本を先に紹介のどちらかの予定です。どうぞよろしくお願いします。

 

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【雑記】本が馴染むとき

 こんにちは!みなさんは新年のお参りへ行ったでしょうか。自分は明治神宮への参拝とおみくじが恒例になっていて、今年も行ってきました。そのおみくじというのが、大吉や大凶といった結果の出る占いではなく、導きの言葉が書かれています(天皇の作られた詩文・和歌だそう)。今年は志し高く、人はみな平等なのだから謙虚に、という言葉を受け取りました。これが響くのですよね…。少し前は自分が成長したいというのが目標でしたが、そうすると人と自分を比べて落ち込むことに気が付いて、世の中のためにできること、を軸にしたら自然と努力できることが増えました。また、この本の活動もひとりよがりになってしまわないよう、考えていきたいと思います。

 

 さてさて、前回の記事では今年のおでん文庫の活動について記事を書きました。

【おでん文庫】2024年書き始め - おでん文庫の本棚

 

 そちらに書いているように、今年は4カ月毎の本の入れ替えを予定しているため、その分、同じ本を眺める時間が長くなります。これまでは毎月本を入れ替え、冊数は4冊に絞って厳選した特別感というのを意識して棚つくりを行っていました。POPも見た目でテーマが入れ替わったことに気が付けるように、また子どもにちょっとでも楽しんでもらえたらという意図で作成していました(楽しかった…)。ですが、そうした新鮮さから離れることになったとき、今度は何が大事なのかを考えていたら、あることを思い出しました。

 

 古本をネットで購入したときのことです。ネットだと届く本がどういった状態か届いてみないと分からず、届いてびっくりしたことが2度程ありました。ひとつは、本の表紙がなぜかぺとぺと、粘着感がありました。そのことを抜かせば状態も良く綺麗なのにどうしてなんだ。もう1冊は、古い本でなんだか古くさい臭いが本を手に取っただけで感じられるといったものでした。

 

 読むのにまあまあ躊躇しました。すぐに読むにはなんだか気が乗らず、ではそうした本をどうしたかというと、ひとまず本棚に差し込んだのです(ぺとぺと本は拭いてから)。

 

 そうしてしばらく、何か月かを手に取らずに本棚の中で寝かせていました。そこまでの時間を経て、あるときに何の気なしにその本たちを手に取ってみようと思えるときがありました。

 

 これは、日常で目にする本棚の中にその本たちが納まっている状態を見てきたことで、違和感の合った本に対して馴染んだという感覚が生まれてきたのではないかと思っています。

 

 馴染むという言葉は、人に対しては「環境に馴染む」といった使われ方で聞くことが多い気がしますが、どうでしょうか。学校や仕事場など居心地が悪いと、馴染めないなんてことを頭に思い浮かべることが、過去にあったのが思い出されます。

 

 本棚の中の本にも、そうした人の感覚と同じような言い方をして、本棚に馴染むという言葉がはまるように思えてくるのです。

 

 ちなみに、この馴染むという言葉、いい意味で使えるのかどうか悩みました。慣れる、馴染む、染まる、など、居心地を伝える言葉がいくつかある中で、馴染むの立ち位置はどんなものだろうと、考えました。

 

 自分の中で、馴染むは染まると紙一重な印象が無くもないです。思い浮かぶ使い方のひとつに、頑張って場に馴染もうとする、といった風に、否定的なものを努力して覆そうとする苦労が見え、そうして馴染もうとした結果、その場に染まることに繋がっているように想像したのはちょっと、ネガティブかもしれませんが。

 

 そうなると、意識して馴染むという行為を当人が行うとしたら、そこに努力が見えて無理してるような、不自然な気がしてきます。馴染むは自分から発する言葉ではなくて、第三者が見たときに、対象に対して感じた言葉として使うのが自然なのかなと思えてきます。

 

 そういえば、本屋さんへ行くと、本棚の本をざーっと見て回ることがあると思うのですが、そうしたときに、1冊毎にではなく、本棚を眺めていて楽しいと感じることがあります。本棚を気に入ると居心地が良く感じ、これは馴染みになりたい本屋さんだと思うことがありました。だからといってぐいぐい馴染もうとするのはやっぱり不自然で、尚且つ自分のガラではないので出来ないですが、そういう居心地の良い場所があるというだけで、嬉しくなります。

 

 そんなこんなで馴染みについてうだうだと考えているうちに、本棚という箱の中でどんな雰囲気を持ち込めるのか、試してみたいと思うようになりました。なので、今年は本棚のPOPは一旦無しにして、並べる本選びをより慎重にやってみたいと思います。

 

 今、家で試しに本を並べてみているのですが、見栄えを優先したくなって苦戦中です。デザインは新しい本が感性にはピンとくるのですが、おすすめするのは読むことの多い古い本が多く、本自体の魅力と、本棚の魅力と、せめぎ合っています。

 

 次回の更新ではおそらく、本棚の写真を投稿することになっているのではないかと思います。その日まで試行錯誤を続けてみます。それでは次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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【おでん文庫】2024年書き始め

 こんにちは!そして、あけましておめでとうございます。今年は年始から震災のニュースに、いろいろな思いが巡ります。被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。みなさまに心を寄せて、一日もはやい復興そして日常が戻ってくることを祈ります。

 

 

 この辰の絵は、昨年の終わりにかけて「地続き」という言葉がずっと頭にあり、年の節目ではありますが、2023年の嬉しいことも、悲しいことも、弧を描いて、ゆっくりと思い返す時間をとりながら、2024年の間も天に上り続けていく、そんなイメージで描きました。悲しいことも抱え続けて少しずつ癒していこう、後悔する前に行動しようと、そんなことを心に決めようとしていました。

 

 2024年が終わる頃にはものごとが良い方へ向かっているように、自分のできることを行動していきたいと思います。おでん文庫の活動も、この一年を更に積み重ねていくことを最低目標として、読書を楽しく深めていくことを推していきたいと思います。

 

 今年のおでん文庫の本棚の展開は、昨年とやり方を変えてみます。

 

 2024年の大きなテーマは【広がる読書】です。

 

 昨年は毎月1テーマを決めてそのたびに本棚の本を入れ替えていたのを、今年は3回(1~4月・5~8月・9~12月)に区切り、本棚の本を入れ替えるかたちを予定しています。

 

 方法を変える理由はいくつかあります。ひとつは、児童文学を大人にも読んでもらいたい、そのために、1冊の児童書にどれだけの深さと広がりがあるのか、そうした可能性を示せるように、児童書に加えて自分自身が本への理解を深めるために読んだ本たちを置く予定です。

 

 テーマで本を絞ると、どうしても児童書=子どもの本、というところで大人の方たちが手に取って読みたいと思う機会が少ないのではないかと思い、今年は児童書に加えて関連書籍も置くことで、ひとつの本から次の本が登場し、そうして本棚が1つ埋まるほどの本がある、というのを表したいと思います。

 

 そもそも、大人に読んでもらいたいというのは、自分自身が読書を通して生き方に変化を感じたことが大きいです。大人になってから児童文学に触れたことで、それまでやさぐれて中途半端でやりきれない生き方が少しばかりしゃんとして、目標を持つようになりました。子どもの頃にこの本と出会っていたら…と思うことが多いのですが、大人だからこそ気が付けることもきっとあるはずで、読書の中で自分が感じたことや興味が湧いたことを深堀していくと、自分のことを知ることに繋がると思っています。

 

 次の理由は、自分自身が一度読んだ本をもう一度読み直して新たな発見があるのかを知りたい、という理由です。昨年の1か月サイクルで出来る限りの関連本を読んだつもりでも、次に移った時にはもう記憶の遠くに置き忘れてしまっているので、もう一度、理解を深める意味で読み返し、新しい発見があったらいいなと思います。ということでそうなのです、本棚に昨年登場した本が再登場して横展開が広がる想定です。

 

 もうひとつは、毎月本棚の中身を入れ替えるのは早すぎる、という点です。季節によっては、外出がはばかられる(私の場合は花粉症の時期がつらいです…)こともあり、紹介する本が手に取ってもらう機会を増やすためには長い期間を用意することの方がよいのではと思い至りました。

 

 昨年やってきたことが習慣化してきたところで、今年は違うやり方をとるのが正直ドキドキですが、よい改善になると信じてチャレンジしてみます。

 

 ブログについては、本棚に置く本を全て紹介するかはまだ考え中ですが、読書について考えていることを今年は記事として織り交ぜていきたいと思っています。頑張ります!

 

 ではでは1~4月の本棚の中身については、また追ってご報告します。本年もお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

 

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