おでん文庫の本棚

大人もこどももみんなで味わう児童文学をご紹介

トーン・テレヘンさんの大人に向けた本たち

 こんにちは!みなさんは読書のお供にするものは何かありますか。私は最近、朝にヤクルトを飲みはじめるのと合わせて読書がはじまります。という話をするのも、今しがたコーヒーを口にしたら思いのほかしみじみと味わい、思い立って高橋 和枝さんの『コーヒータイム』を読み、コーヒーと共に過ごす時間に思い巡らして、コーヒーと読書とを掛け合わせてブログで話題にしたい気持ちが湧きましたが、しかし現実にはヤクルトで、この気持ちを読者に託したいと思い至りました。

 

 先日紹介をしたトーン・テレヘンさんの物語について、公式サイトに目を通すのもオススメです。谷川 俊太郎さん、小川 洋子さん、江國 香織さんなどなど、名の知れた方々がメッセージを寄せています。著者が登場して本を紹介する動画もあり、私はこのことがきっかけで『おじいさんに聞いた話』を読みました。

 

 ※私が書いた記事はこちらです↓

想像力豊かなハリネズミの物語 - おでん文庫の本棚

 

 ご紹介するのは4冊です。公式サイトへのリンクを下記に置いておきます。

 

www.shinchosha.co.jp

 

www.shinchosha.co.jp

 

 

www.shinchosha.co.jp

 

www.shinchosha.co.jp

 

 

 ハリネズミの願い』『きげんのいいリス』『キリギリスのしあわせ』は同じ世界線の物語です。最初に『ハリネズミの願い』を読んだので、その他の作品でハリネズミが登場したときには、動物たちとの関わり合いの様子に驚いたりもしました。私は『キリギリスのしあわせ』が特に好きです。お店を営むキリギリスのお客に誠心誠意にこたえようと努めるのですが、たまに逆らいたくなる心、喜びがあれば悲しみや我慢、多くの感情が動いていることが、あるよなあとうなずきながら、書かれていることで不の感情と思わしきものを否定しなくていいのかも、となりました。

 

 『おじいさんに聞いた話』は、おじいさんが子ども(著者)に語る物語が『シンデレラ』や『白雪姫』で思い浮かべる予定調和な話でもなく。おじいさんの投げかける言葉の意味を掴もうと前のめりになる気持ちで読んでいました。その意味をどうしても自分の言葉にできないのに、言葉のかたまりみたいなただの物体は胸の内側に残っている。作中で子どもの胸の内に収まってゆっくりと熟成されていった物体は、大人になって外に出てきたと考えたのですが、そうすると子どもも触れてみてよい本なのかなとも思います。

 

 リンクを貼っている以外の本で、子ども向けを意識した『リスのおたんじょうび』もあるのですが、今回は大人向けを意識した本の紹介でした。それぞれ読み比べてみると、対象者が違うがゆえの発見があります。ただ、原作も対象を書き分けていたのかが分からずで、オランダ語もいつか読めるようになりたい。個人的には、中学生や高校生が今回紹介した本に触れたときに、どんな感想を抱くのか聞いてみたくなります。

 

 それでは、また次回もどうぞよろしくお願いします。