こんにちは!みなさんは新年のお参りへ行ったでしょうか。自分は明治神宮への参拝とおみくじが恒例になっていて、今年も行ってきました。そのおみくじというのが、大吉や大凶といった結果の出る占いではなく、導きの言葉が書かれています(天皇の作られた詩文・和歌だそう)。今年は志し高く、人はみな平等なのだから謙虚に、という言葉を受け取りました。これが響くのですよね…。少し前は自分が成長したいというのが目標でしたが、そうすると人と自分を比べて落ち込むことに気が付いて、世の中のためにできること、を軸にしたら自然と努力できることが増えました。また、この本の活動もひとりよがりになってしまわないよう、考えていきたいと思います。
さてさて、前回の記事では今年のおでん文庫の活動について記事を書きました。
そちらに書いているように、今年は4カ月毎の本の入れ替えを予定しているため、その分、同じ本を眺める時間が長くなります。これまでは毎月本を入れ替え、冊数は4冊に絞って厳選した特別感というのを意識して棚つくりを行っていました。POPも見た目でテーマが入れ替わったことに気が付けるように、また子どもにちょっとでも楽しんでもらえたらという意図で作成していました(楽しかった…)。ですが、そうした新鮮さから離れることになったとき、今度は何が大事なのかを考えていたら、あることを思い出しました。
古本をネットで購入したときのことです。ネットだと届く本がどういった状態か届いてみないと分からず、届いてびっくりしたことが2度程ありました。ひとつは、本の表紙がなぜかぺとぺと、粘着感がありました。そのことを抜かせば状態も良く綺麗なのにどうしてなんだ。もう1冊は、古い本でなんだか古くさい臭いが本を手に取っただけで感じられるといったものでした。
読むのにまあまあ躊躇しました。すぐに読むにはなんだか気が乗らず、ではそうした本をどうしたかというと、ひとまず本棚に差し込んだのです(ぺとぺと本は拭いてから)。
そうしてしばらく、何か月かを手に取らずに本棚の中で寝かせていました。そこまでの時間を経て、あるときに何の気なしにその本たちを手に取ってみようと思えるときがありました。
これは、日常で目にする本棚の中にその本たちが納まっている状態を見てきたことで、違和感の合った本に対して馴染んだという感覚が生まれてきたのではないかと思っています。
馴染むという言葉は、人に対しては「環境に馴染む」といった使われ方で聞くことが多い気がしますが、どうでしょうか。学校や仕事場など居心地が悪いと、馴染めないなんてことを頭に思い浮かべることが、過去にあったのが思い出されます。
本棚の中の本にも、そうした人の感覚と同じような言い方をして、本棚に馴染むという言葉がはまるように思えてくるのです。
ちなみに、この馴染むという言葉、いい意味で使えるのかどうか悩みました。慣れる、馴染む、染まる、など、居心地を伝える言葉がいくつかある中で、馴染むの立ち位置はどんなものだろうと、考えました。
自分の中で、馴染むは染まると紙一重な印象が無くもないです。思い浮かぶ使い方のひとつに、頑張って場に馴染もうとする、といった風に、否定的なものを努力して覆そうとする苦労が見え、そうして馴染もうとした結果、その場に染まることに繋がっているように想像したのはちょっと、ネガティブかもしれませんが。
そうなると、意識して馴染むという行為を当人が行うとしたら、そこに努力が見えて無理してるような、不自然な気がしてきます。馴染むは自分から発する言葉ではなくて、第三者が見たときに、対象に対して感じた言葉として使うのが自然なのかなと思えてきます。
そういえば、本屋さんへ行くと、本棚の本をざーっと見て回ることがあると思うのですが、そうしたときに、1冊毎にではなく、本棚を眺めていて楽しいと感じることがあります。本棚を気に入ると居心地が良く感じ、これは馴染みになりたい本屋さんだと思うことがありました。だからといってぐいぐい馴染もうとするのはやっぱり不自然で、尚且つ自分のガラではないので出来ないですが、そういう居心地の良い場所があるというだけで、嬉しくなります。
そんなこんなで馴染みについてうだうだと考えているうちに、本棚という箱の中でどんな雰囲気を持ち込めるのか、試してみたいと思うようになりました。なので、今年は本棚のPOPは一旦無しにして、並べる本選びをより慎重にやってみたいと思います。
今、家で試しに本を並べてみているのですが、見栄えを優先したくなって苦戦中です。デザインは新しい本が感性にはピンとくるのですが、おすすめするのは読むことの多い古い本が多く、本自体の魅力と、本棚の魅力と、せめぎ合っています。
次回の更新ではおそらく、本棚の写真を投稿することになっているのではないかと思います。その日まで試行錯誤を続けてみます。それでは次回もどうぞよろしくお願いします。
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