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【雑記】読書量について

 たまに本に関連した話題で気になるのが読書量です。みなさんは、年間何冊読んでいるか数えているでしょうか。

 

 私は今年になってきちんと数えてみようと思い(とはいえいくつか抜けてたりしてちょっとずぼらな数字です…)、再読本は除外して、初めて読む本を数えたらもうすぐ100冊でした。世の中ではもっと大きい数字が動いているので、全くすごいとはならないのですが、とにかく100冊読んでも、まだ読んだことのない本がたくさん世の中にあることが嬉しいですね!

 

 この読書の量について、おでん文庫を初めてから特に増えました。読みたい本、読んだ方が良さそうな本、棚に置いている本の関連書籍は可能な限り読もうと試みています。そこから読書量の考え方について思うことがありました。

 

 今から遡ること十数年前は、読書に量を求めて何時間でこの一冊を読むか見当をつけ、図書館に居座って一日に何冊か読んでいました。それが今、当時読んでいた本のタイトルをみても、内容があまり記憶に残っていない。例えば秘密の花園という本を当時読んだ記録がしっかりと残っているのですが、内容をほとんど覚えてなかったのです。

 

 これを自分の場合は、疑問点や気になるところなどを素通りしたためではないかと考えています。内容で気になることがあると、頭を離れないものです。海底二万海里を読んだときは、冒険する場所の位置が地名を聞いてもピンと来ないがために、なんですかね、この本面白いとなりました。地理に限らず、海底の世界や多くの魚の種類、自然現象など知らないことがたくさん詰まっているのです。

 

 感情移入も関係あると思います。読書のスピード感を重視すると細かいディティールが読み込めず、展開に目がいきがちになります。そうなると、展開自体も時を経て忘れました。それが一行一行を丁寧に読み進めていくと、自分の場合、本の言葉よりも、映像としてその印象的なシーンが頭に残ることがあります。

 

 ということは、質を求めるような、1冊を丁寧に読み進めるのを勧める話かというと、最近は同じ本を2回読むのが面白いと思っています。それも、1冊目を読んでから他の本を読んでまた1冊目に戻るのです。気になったものを心に留めて、しばらくたった後にまた読み返したときに、たまに答えが見えてくることがあるのです。

 

 考えることって時間を要します。仕事ではないので、答えを出さないものがずっと自分の中にあって良いと思っています。そういうのが、読書や生活の中で少しずつ熟されていくのだと思います。

 

 自分の経験で、読書でその本を把握や理解しようとする姿勢で読むと、受け身というか疑問が少なくて心に残りづらかったです。なので、一回目はとにかく時間が掛かっても、焦らず最後まで読んでみる。質にも量にも当たらないかもしれませんし、それが苦労したという感想だけだとしても、気になるものがあれば、その本と数か月後、もしくは数年後に再度出会ったとき、思いがけない発見があるかもしれないのではと思っています、

 

 本の良いところは読むたびに発見があることと聞きますが、好奇心をくすぐる冒険と驚異的な情報量が詰め込まれた『海底二万海里』のような本は、1世紀以上も読まれていることにとても納得がいきます。

 

 まとめると、読書は焦らずマイペースに、数を気にする必要はないと思います。でも、1回読んで印象に残った本はそれで終わりにせず、また開くときが来るまで本棚に置いておくと、面白いことがあるかもです。

 

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