おでん文庫の本棚

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アロイス・カリジェに行く前の長い前置き

こんにちは!唐突ですが最近、フランス語のテストが近いこともあり(実は勉強しているのです)、フランス語の勉強に時間を注いでいます。

なぜ勉強しているかと聞かれると、あの言葉を発した時の響きの美しさ、そこに惹かれたからです。

下手の横好きと言っていいくらいの舌足らずですが、自分がフランス語を読み上げている時の悦びは、ちょっとあります。

 

まあそんな個人の感想はさておき、フランス語で話す時に苦心しているのが、言葉を日本語発音で変換する時に一音となる単語が連続して現れることです。

一人称(ジュ)、否定形(ヌ・パ)、動詞の過去分詞(ヴュ)、接続詞(ク)、冠詞(ル)と、ここに書いている以外でも一音の単語が多々あり、一文の中で一音の単語をいくつ並べることが出来るか競い合うゲームが出来そうです。

この細かい音がある点から、フランス語を話す時は、無線機で信号を送る時のツートントンといった細かい調子をとっています。

これが、フランス語を日本語に置き換えずに流暢に話せる様になると、また印象が変わるかもしれませんが、現時点で、日本語を発音する時に意識する点と異なっていると気が付いて面白いなあと思いました。

 

というのも、直近で『スイス吟行―旅券(パスポート)は俳句』という、日本の俳人2人がスイスで俳句を読みながら旅をする愉快なエッセイを読んで気が付きました。

俳句は、5・7・5のリズムを取る際、鍵盤楽器でドレミファソラシドと音を奏でる様な、音程が文章の中に組み込まれている印象があります。

リズムの中に言葉を当てはめて音の調子を合わせているので、冒頭の5つの文字はいくつかの単語が含まれていても一つにまとめられる、そうすると語呂が良くて、声を出して読み上げる面白さが生まれてきます。

 

そういう日本語の語呂の良さを、物語を翻訳する際に上手に取り入れているのではと思っているのが、長くつ下のピッピなど長く愛されている作品の翻訳を担当された、大塚勇三さんです。

 

この方がスイスの作家、アロイス・カリジェの作品の翻訳を担当していて、子どもの心を掴む素晴らしい絵と物語を、生き生きとした日本語で表現しています。

 

これから少しずつ、アロイス・カリジェの絵本について書いていこうと思いますので、また次回も、どうぞよろしくお願いします。