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【雑記】窮地でも強くあれ

 こんにちは!ここ最近、もう夏の始まりと言ってもよさそうなお天気が続いていますね。先日珍しく父親から映画に誘われて観に行くかも、というがホラー映画で、体感温度がこのときばかりは下がって涼しくなりそうです。

 

 さてさて今回はおでん文庫の雑記になります。いろいろと、それこそひとつには括れない読書の面白さをひとつ挙げるのに、今読んでいるロビンソン・クルーソーでハッとしたことを書いていこうと思います。

 

 アタリマエに今あるものが、突然無くなったとき、もしくは変わってしまうとき、どんなことになるんだろう、と悪く考えればいくらでも悪く考えられそうなことを昔から思い浮かべることがあります。本当はなにかと安定していたいと思うのとは裏腹に、名前の画数が波乱万丈(でも悪運はあるという)の人生を予言していたせいなのか、その名の通りの起伏のある人生を送ってしまい、そのおかげで、あんまり自分の所在というか、どこかに留まっている姿が想像できずに、いつもどこか遠くへいきたい、と当てもなく、ぼんやりと思い浮かべることがありました。

 

 これ、ロビンソン・クルーソーの主人公が物語の冒頭で、まだ家族の保護下にもある安全で安寧だった頃に考え事をしている頭の中と似ているんですよね。イギリスで出版されたのが1719年とあり、もう300年近くも経っているのに共通点があるなんて。

 

 似ているといっても、どこか遠くへ行きたいという願望が同じだけで、ロビンソン・クルーソーの場合は、平凡で退屈な日常から抜け出して、燃える冒険心のままに行動をしたいという野心があり、私の人生に翻弄されているという感覚とはまたちょっと違うので、読んでいた時は共通点だとは気にも留めていませんでした。

 

 どちらかというと、物語を読み進めていった先、とうとう誰もいない島にたどり着いたロビンソン・クルーソーの孤独な闘い、そうだ、ここからが何もかも思うようにいかないことに苦しむターンだ…なんてことになったら、主人公に自分を重ねて共感し始めていたかもしれません。しかし、そうはならない。ロビンソン・クルーソーは野心を持ち合わせたエネルギッシュで想像力たくましい男なので、困難な状況を乗り越え、生活地盤を作っていく姿は、憧れを抱くほどです。

 

 主人公がひとりでどうにかしなければならない状況下でも、生きていることを喜んでいる姿があったとき、すごい人だなと思った程度で、もう次の文章に進みそうになり、というのも自分もそうあることを望んではいますが、自分とは考えが違うことに気が付きました。

 

これまでの人生で心から喜ぶことが無かったわけではもちろんなく、幸せもしくは平和の状況で、喜ぶことというのは、たくさんあります。そうではなくて、困難な状況の中でも喜びを見つけられるところが違います。運命に翻弄されたと思っているのは、主人公も自分も同じなのに、感情の持っていき方が全然違います。

 

 今がまさしく、手持ちの仕事とどう向き合うか考えていた最中で、今日も読んでいたこの本の主人公のことがふと頭に思い浮かんだのでした。

 

 このタイミングでこの本と出会っていなかったら、前に進む手がかりがないままだったので、偶然が面白いです。人との出会いや会話の中でも、そうした偶然がありますが、本も、昔は仕事関連といえば自己啓発を読むことが多かったのですが、最近はなんとなく手に取った本が、思いがけずよき出会いだったりすることがあるものですね。

 

 ではでは、次回もまたどうぞよろしくお願いします。

 

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