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【雑記】理解しようと意気込まない

 こんにちは!最近、読みたい本を本棚から引き抜いて机のまわりに並べ始めてよくない状態になっています、読みたい本を1冊に絞るのが難しく、そういうときは図書館で借りた本だと返却日が近い順に手を付けていくことになるので、強制的に読み順が決められるので助かります。返却日が近い分厚い本を読むターンになると、朝も早起きになります。図書館は本を借りるだけでなく生活を整えてくれる存在になりつつあります。

 

 さてさて本日記事で書こうと思っていたことが、直近で読み終えた生物学者・作家である福岡 伸一さんの本『せいめいのはなし』の濃厚さにヤラれて、ぼやけてしまいました。福岡さんはドリトル先生シリーズの新訳も手掛けていると後から知り、素敵なインタビュー記事を発見したのでリンクを貼っておきます。

www.tjapan.jp

 

 さてさて『せいめいのはなし』に書かれていることに思わぬ発見がいくつもあり、なんて面白いんだと感動していました。そこで旦那さんとの会話で本の内容と接点がありそうなことがあれば「ところでこの話といえば最近読んでいる『せいめいのはなし』っていう本でね…」と話題を本の方へ持っていこうと試みるのですが、いざ話そうとすると、細胞の説明が全く上手にできません。どうしようもなくはがゆいです。(海外の映画で、過去の時代にタイムスリップしてしまった男性が、言葉の通じない女性を前にして自分の思いを伝えられない状況に、ぽつりと「はがゆいな…」という風なことを呟いたのを思い出してしまいました。それにしても、あのとき状況が読めずキョトンとしていた女性はかわいかったな)

 

 学校の授業で分からないことや解けない問題に出くわしたとき、この目の前の内容を理解できていないとはっきりと自覚して、立ち止まってしまうことがよくありました。目の前の問題が解けないと次の問題に移ることができず、家でひとりで数学の勉強をするのは骨が折れた記憶があります。それでもなんとか正解にたどり着くことができれば、一問クリアーということで、そこから次へと進むことができます。

 

 それが本を読むときでは、少し行動が異なるような気がしています。本の内容を正しく理解することを心掛けて読もうとすると勉強と同じで、例えば火山を題にしたらマグマの温度はいくつなのか、日本で最後に噴火したのはいつでどの山か、有名な火山写真家は誰か、といった情報を意識して拾おうとします。しかし、数字や情報だけならまだ悩みは小さいかもしれません。もしこれがマグマが噴火する経緯をきちんと理解・説明しよう考えると、本の中で答え探しになり、見つけた答えに自信が持てなければ先に読み進めようという気も起らなくなっていくように思います。

 

 理解するというのはきっともっと気の遠くなるような話で、例えば火山の本1冊から、発せられるガスの成分を記号的に覚えることができたとしても、その成分がどんなものかを知らなければ、そのものを十分に理解したとは言い難いです。なので今度は成分について調べる本を読もう…という具合に、理解するには興味のあるSNSのアカウントをどんどん下へスクロールをするように、どんどん物事を掘り下げて、情報を集めていく行為が必要になるのではないかと思います。

 

 ただ、もう一方の読み方として、作者が「火山はすごい」と語るその理由に自分の感情が乗っかり、火山へのまなざしが熱くなっていくことがあります。専門的な話だとしても分かりやすく説明されているのも大いに助けとなっていると思います。それでもきちんと理解できているかは大変怪しいですが、読んでいるその瞬間は不思議と分かった気になっていて、つい楽しくなって、ページが次へ次へと進んでいきます。関心が最後まで続いていった結果、本が読み終わって満たされたような気持ちがあり、そこからさらに詳しい本を読んでみたい、と次にも繋がっていく可能性も大いにあります。

 

 たとえその面白さを自分の感覚でしか認識できていなくても、ひとまずはそれで良しです。読書の楽しさは内容をきちっと理解しようしたり人に伝えようとするのは二の次で、心が目覚めるような本と出会い読む楽しさをかみしめる、そういうひっそりとしたところで盛り上がっているのが大切に思います。

 

 そして、内容の説明は難しいけど感想であれば、よくよく自分の気持ちを見つめていたら何かしら出てくるはずです。『せいめいのはなし』は対談形式で書かれているのですが、同じテーマで話していても、著者と対談者それぞれ話の視点は異なります。月に浮かぶシルエットがカニに見える人、うさぎに見える人がいるように、同じものを見ていても見え方が異なります。そうした個人個人のフィルターを通して見えてくる世界が、内容の難しさを補って、気持ちを惹きつけるのではないかと思いました。

 

 今回の読書で自分の視点を持って分かりやすい言葉を紡げるようになりたいなと、そんな気持ちも芽生えつつ、ではでは次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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