おでん文庫の本棚

大人もこどももみんなで味わう児童文学をご紹介

心を豊かにする自然と家族の暮らし②

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こんにちは!春の足音とともに花粉症にヤラレています。

 

なかなか家の窓を開けることが出来ずにいたのですが、そうすると家の中が静か過ぎて不自然、と思ってしまって、最近は思い切って窓を開けています。

 

鳥の鳴き声だったり、エンジンの音が聞こえてきて、時間が動いているのを意識出来るようになりました。なんだかほっとします。

 

しかしその代償に、たまに家の中でもマスクをする羽目になり…はやく花粉がどこかへ旅立ってくれますように。

 

さて前回の記事では、いわむらかずおさんの生い立ちや、絵本が生まれるまでのいきさつをご紹介しました。

 

大家族、そして豊かな自然の中での暮らしを通して何を感じるのか。

 

本との出会いによって、例えば疑問、新しい考え、共感、励ましなど、様々なものを受け取ると思うのですが、いわむらかずおさんの14ひきのシリーズは、目の前で繰り広げられる光景に自分も入り込んで、一緒に体験をしている様な気持ちになります。

 

絵本の中では、起きる、ご飯を作る、食べる、遊ぶ、お風呂に入る、寝る、この基本的に誰しもが営んでいる行為を、丁寧に描いています。

 

そんなことは自分が物心がついてからずっと繰り返している当たり前の行為ですが、この絵本に心ひかれるのは、実際の暮らしで思う価値観とは違う価値を教えてくれるからだと思います。

 

365日、1000日、10000日…と毎日、延々とこの基本的な営みを繰り返して、私などは気が付くと目の上のたんこぶ的に、家事といえば負担といった捉え方をしてしまっていることがあります。

 

ご飯を食べることも、栄養を取ることが出来ればそれで良いかと思ってしまうことがあります。

 

この負担をいかに時短で済ませるか、楽をするか、見て見ぬふりをするかを考えて、ル〇バが何度か頭をよぎることがあります。

 

暮らしを営む時間てなんなのだろう、そう思ったときに、いいなあと思うのが14ひきの家族の暮らしです。

 

自然の中=便利な道具に頼るのではなく、あるものの中でどうにかすることを当たり前に実行し、なければ作り出します。

 

その大変さを笑顔で、みんなで分け合いながら助け合う姿は、楽しそうに映ります。

 

また、野菜を育てて生み出すといった体験や、そして育てた野菜を食べることの尊さやありがたさなど、ねずみたちから教えてもらいます。

 

手間や面倒なことでも、誰かと笑いあえば楽しいことに変わる。

 

手をかけるほどに愛おしいものに変わる。

 

ちょっと面倒な仕事でも、誰かと愚痴っぽい話をした後、さあやるか、とまた立ち上がれるのと近いのかな…と思ったりもします。

手がかかるほど、あとで振り返って語れる(運がよければ武勇伝)思い出になっているはず。

 

これから暮らしの豊かさとは何かと考えるときに、この絵本はひとつの指標になってくれると思います。

 

もし絵本を手に取る機会がありましたら、「あさごはん」、「こもりうた」など、暮らしに重点に置いたものが読みやすいと思いますので、ぜひ。

 

次回もまたよろしくお願いします。