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【雑記】児童文学に関する本からの小川未明

 こんにちは!最近、つい面倒がって床に荷物をぽいぽい、机の一角に本を積み積みして放置したがってしまいます。これを書き終えたら、ちょっと片づけようと思います。やるぞ。

 

 さて、前回の記事で、児童文学の羅針盤ともいえる本『子どもと文学 増補新版』を紹介しましたが、次にこの本を隣に携えて『名作童話 小川未明30選』を読み始めました。おでん文庫の棚がお休み中の今のうちに、勉強読書です。

 

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 『子どもと文学 増補新版』では、時系列に日本の児童文学(童話)作家および作品を解析しており、その最初に取り上げられているのが小川 未明でした。小川 未明というと、幻想的でちょっと感傷的な世界観というのが自分は先立って思い浮かびます。子ども時代に触れ合った『エルマーのぼうけん』魔女の宅急便といった児童文学と比べてみると、前者は言葉が持つ奥行を想像でもって楽しむところがあり、後者はキャラクターに自分が感情移入をして読むところがあるように思います。

 

 何歳の頃だったか忘れてしまいましたが、おそらく中学生の頃に、父親が持っていた阿刀田 高さんの本を読んでいたことがありました。言葉の意味はよく分からない箇所もあれど、笑ゥせぇるすまんの様なダークで不思議な雰囲気にひかれて読んでいました。この物語の雰囲気が印象として残る読書というのが小川 未明の作品と共通している気がして、おそらく小川 未明の本に子ども時代に出会っていたら、多分なんとなくにでも読めたのではないかと想像します。ただ、ここに言葉の奥行や美しさといった著者の意図した表現までを子ども時代に理解できたのかというと、ちょっと、自信がありません…。

 

 物語の切なさや美しさなど、そうした雰囲気にひたれることはあれど、その切なさがどうして生まれたのか、何にそう感じたのか、なんとなくで感じるだけでは、もったいない様に思ってしまいます。というのも、私がものごとにふわっとぼやっとしたまま大人になってしまって、今になって児童文学をさまざま読んでいるうちにゲド戦記『果てしない物語』など骨太な物語を子ども時代に読みたかったという気持ちがむくむく湧き上がってきたからという理由があります。主人公の心境に迫る物語というのは、読み終えたときにじ~んとくるものがあります。そういう読書体験を与える本の方を、率直に、子どもに読んでもらいたいと思ってしまいます。

 

 『子どもと文学 増補新版』や詩に関する本を読んで考えるようになりましたが、詩は文章の構造、韻のルールがあり、短い言葉の中にくまなく著者の意図が盛り込まれています。無駄がないようにとれます。

 

 どうにでもとれる曖昧さ、というのが想像の良き余白と思っていたのですが、よく磨かれて洗練されているものの奥行きを知るのも面白いです。余白として疑問を浮かべたのが、小川 未明の『赤い蝋燭』の赤色は、(本文では絵の具とありますが)キレイな蝋燭、と考えたときに書道で使う朱色のような明るい色を最初は思い浮かべたのですが、最後の展開ではこの赤色に意味が出てくる、そうすると、朱色はなんだか明るすぎる。となるとこの赤はどんな色なのだろう。であったり。北の海と書かれていると、小川 未明の出生地である新潟の海なのだろうか。なんとなく冷たい海を想像するけれど、どんな海なのだろうか。であったり。

 

 そうした疑問を追うのは面白さのひとつですが、料理に例えると、あっても無意味な食材や調味料は使わないのはもちろんのこと、何の食材と調味料を使ってどういった手順で料理を作るかを、料理人が全て把握しているのが当たり前であるように、著者も曖昧は無しに答えを持っていて当然であると考えるのも自然なことのように思えてきました(こんな風に描くと、絵を描く自分の首も絞めていくので恐ろしいです…)。

 

 よく描写されているというところで、心の機微について、『ミス・ビアンカシリーズ』が良心を知れて素晴らしいなと思うのですが、高楼 方子さんの『ココの詩』も心揺さぶられます。善と悪の間で揺れるココの心境がとても細やかに描かれていて、おすすめです。

 

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 ちなみに『名作童話 小川未明30選』では、巻末で『子どもと文学』について触れていました。それだけ、話題にせずにはいられないほどの大きな影響を与えた本だということが分かりました。これまでの風潮から180度違う方向へ舵取りするというのは、摩擦も大きかったのだと想像されますが、石井 桃子さんらがそこから今に至るまで児童文学を引っぱっていった歴史がしっかりと積まれていることを思うと、本に書かれた話をしっかり受け止めたいです。(ちなみにブログでは本の内容というより自分目線になる様にと気をつけて感想を書いており、本はもっと率直で具体的なので、興味のある方は本を読むことをおすすめします…!)

 

 ではでは次回もどうぞよろしくお願いします。

 

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