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【雑記】仏教を知るために頼りになる本と出会う

 こんにちは!最近、タイトルにあるような慣れないジャンルの本を読んでいるのですが、いくつかの本を渡り歩いているうちに、前には理解できなかったことが分かるようになり、本がさらに読めるようになるのを少しばかり実感して嬉しいです。これも、初心者向けの親切な本があるおかげです。

 

 ということで前回の記事でちょっと触れた大乗仏教について知るために、佐々木 閑 著『別冊100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した 』を読みました。内容が理解できるのかの不安が大きかったですが、読み切れました。初心者でも読みやすい親切な解説書と出会えました。

 

 普段の暮らしの中では自分がなんの宗派に属しているかを特に意識しておらず、恥ずかしながら関心が薄いのですが、そんな自分がなぜ仏教に関する本を読むに至ったのか、まずその経緯の前提として、日本の児童文学の歩みを知るためという理由があります。

 

 日本の児童文学を知るための道しるべとしている本『子どもと文学 増補新版』こちらを携えて、日本の児童文学の歴史順に、小川未明浜田広介坪田譲治と作品を読み進め、そこからアメリカ文学に寄り道をしたのが今で、これから宮沢賢治に舞い戻っていく予定なのです。

 

子どもと文学 増補新版 -石井桃子/いぬいとみこ/鈴木晋一/瀬田貞二/松居直/渡辺茂男 著|中公文庫|中央公論新社

 

 ではどうして宮沢賢治の本を読むのに仏教なのか、というと宮沢賢治の作品には仏教の教えがどうやら作品の屋台骨となっているようなのです。物語をつくる経緯というのは著者それぞれにあると思います。自身の体験をもとにして作品を描いたり、記録として残すためであったり、好きなものを表現したい、感動を伝えたい、ではなぜ宮沢賢治が物語を書いたのかという理由に踏み込んでみると、塩梅はまだよく把握できていませんが、前回紹介した本を読む限りでは、宮沢賢治に仏教の教えを伝えたいという思いが少なからずあったようです。

 

 しかしこの仏教の教えというものに、どうにもピンときません。宮沢賢治の作品で注文の多い料理店グスコーブドリの伝記や「雨ニモマケズ…」のくだりをちょっと知っている範囲にはなりますが、どういうかたちで仏教が関わっているのか、想像ができていません。それくらい、自分と仏教の間には隔たりがある…なので思い切って仏教に関する本をほぼゼロの知識で読んでみました。

 

 そこで今回読んだ本では冒頭に書いたように、仏教の誕生から、日本に渡ってきた仏教がどのように変化していったのかが分かりやすかったです。難しい情報を控えめにして、要点を抑えながら書かれていて、全体像を掴むのにとても役立ちました。まずは全体像を理解するという目的であったらこちらの本でよさそうです。

 

 そして、読み進めていくうちに仏教に関心が無かった自分にとって、興味をひくさらなる疑問がわいてきました。

 

 もともとの出発点となる釈迦の仏教というのは論理的に組み立てられており、ひとりの人(自分自身)が厳しい修行を越えて悟りを開く考え方であったのが、時代を経てアップデートされて日本に渡ってきた大乗仏教というのは、多くの人を救うための教えなのでそうです。そこには神秘(奇跡を盲信するとは違う意味です。本を読んでみてほしい…)の力の可能性が秘められており、自分なりに解釈をすると、心の在り様にたどり着くようなお話に聞こえました。そうなってくると、仏教の存在がそう遠いものに感じなくなりますし、教えというのがどんな内容かが気になってきます。

 

 それとこの本を読んでちょっと嬉しいことに、これまで、菩薩、ブッダ阿弥陀…聞いたことがあるけれどなんと説明したらよいのか分からなかったのが分かるようになりました。

 

 仏教の宗派が多く存在することに関しても、この本を読んでなるほどとなりました。人に寄り添って存在するものである以上、教えも在り方も変化していくというのが確かに、そして意外でした。もっとお堅いものだと思っていました。

 

 お経についても、何を読み上げているのか分からないでいたのですが、悟りを開いたブッダの教えが書かれているのだということがついに分かりました。次に挑戦するのはこのお経かなと考えています。

 

 さらには、具体的に宮沢賢治が入っている宗派か、宮沢賢治について研究している書籍を探してもいいかもとも思い始めました。どのくらいの深さで宮沢賢治と仏教がからんでいるのかが、研究書を読んだ方が理解しやすそうです。

 

 これから本探しなので、次回の記事がどうなるのかはちょっと未定ですが、ちょっと合間に読んでいたハックルベリー・フィンの冒険(下)』をまずは読み終わえたいです(福音館古典童話シリーズを読むのも今年の目標だったので、それをしていたらアメリカの児童文学に寄り道していました)。福音館古典童話シリーズ全43冊中、まだ読めていないのがおそらく28冊。今年の暮れにかけては福音館古典童話シリーズを読むと決めるのもありかもですね。とっても読みたい。

 

 ではでは次回もよろしくお願いします。

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