おでん文庫の本棚

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【雑記】おでん文庫5~8月テーマの振り返り

 こんにちは!なんとなしに、昔両親に買ってもらった本を何ページか読んでいたのですが、見栄えがね、保管の仕方が雑だったため紙が痛み年代物のような姿になってしまい。『ぼくの小鳥ちゃん』と『星の王子さま』という本です。実家から持ってきているおそらく唯一の本で(引っ越しを機に片したり実家に戻したりで…)、時間が立つほど大事にしようと思う気持ちが湧いてくるのですが、もう少し、思い至るのがはやかったらなぁ。

 

 さてさて。9月になると、現在おでん文庫の本棚にある本たちは、次の本棚テーマの本たちに場所を譲ることになるのですが、5~8月のテーマとしている”自然科学ことはじめ”が含む内容の広さに今更ながら気がついて、棚から本を下げても、もう少し、関連本を読むことを続けたいと思っています。

 

 (本棚に置いている本はこちらです↓)

【おでん文庫】5~8月のテーマ ”自然科学ことはじめ" - おでん文庫の本棚

 

 きっかけはいくつかあります。ひとつに、何でもない日にたまたまたすれ違った幼稚園に入る前後くらいの子どもが『かみなり』という写真の絵本をしかと抱えているのをみて、思いました。こんなにちよちよと歩く小さい子でも、目の前で起こっている何かに関心を持つものなのだなと。最近は、雨が降れば雷も轟き、夜はカーテンの隙間から雷の光が瞬くこともゴロゴロバリンの音を聞くことも、またかと思うようになりました。しかしこれが自分の子どもの頃といえば、雷に対してもう少し呑気に、怖さというよりも目の前のできごとにただ見入っている、そこにゆとりというか、雷に打たれるという現実的な不安までは想像していなかったように思います。

 

 それが時を経て情報に触れるようになり、雷に打たれることはもちろん、雷によって停電や火災が起こり、自分の身にいつ何が起こるか分からない不安を知るようになります。この不安というのは、そうは言っても雷がまさか自分に落ちるなんてと半信半疑であっても、例えば地震やコロナが広がった直後の状況を振り返ると、この不安というやつはなかなかに粘着質というか、べりべりっ、くしゃくしゃ、ぽいっと捨てられたらよかったのですがね。このやっかいな感情をどう対処したらよいか分からず、気の持ちようの問題として、不安をなんとか負けん気で押さえつけようとしていました。病は気から、というのは実際に大事なことであると思いますが、なかなか能天気に居続けるのは難しい。今にして思えば、人からでも、本からでも、実際を知るための行動をすればよかったなと思い至ります。

 

 怖いと思うものと向き合うって難しいですよね。もし子どもの頃に雷を怖いと思ってしまっていたら、自分だったら絵本を手に取ることができなかったかもしれません。大人が子どもをしかりつけるために「鬼が来るぞ~!」と脅したとしても、これは非現実的な、想像の世界のものというか、現実に鬼が現れて成敗される心配はなく、想像の中だけで十分に怖い目をみるだけで済みます。しかし、これが現実世界で起こる出来事であったらどうでしょうか。ほんとうに、そうした怖いものはひっぱる力が強いです。

 

 しかし、不安な渦中にも、希望と呼べるものが在ることを知ります。レベッカ・ソルニット 著 高月 園子 訳『災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか』で被災者たちの語るユートピアを知ったり、田部井 淳子 著『それでもわたしは山に登る』の自伝で、被災した学生たちと富士山に登る活動を知ったり、希望が生まれるのは映画やドラマの作られた世界だけでなくて現実にあるんだとちょっとでも知ることができると、怖いものにも薄目を開けてみてみようかな、とちょっと目を向けてみようとする気が起こります。私は、今が薄目でしかものを見れずに情けないのですが、そうした問題と正面から向き合っている人たちが声を上げているのを見ていると、考えさせられるものがあります。行動を起こす力があるってすごいです。そう思います。

 

 直近の不安というと周りでお米不足が話題になっていて、今回の台風の行方が気がかりです。困ってから気が付くところが大変不甲斐ないのですが、この絵本のお米作りの辛苦と喜びが、さらに深みをもって感じられました。

 

 『あんちゃんのたんぼ』

 梅田 俊作 作

 ↓過去の記事はこちら

弟と兄のかけがえのない日々 - おでん文庫の本棚

 

 自然科学の話がお米の話に化けてしまいましたが、自然科学に目を向けていくうちに、興味発見の面白さはもちろん、仕方のないことや過ち、悲しいこともあるけれど、悪いことばかりではない、という面も知ろうとすれば、いつかそのことが支えになるはず。きっと。

 

 それとお米で思うのが、最近読んだ、井出 留美『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』という本で知った、フランスの小麦の自給率が100パーセントを超えているというお話。関連の本なんかを探してもう少し調べてみたいところです。

www.akaneshobo.co.jp

 

 ではでは、次回はおでん文庫の9~12月の本棚テーマについて書く予定です。どうぞよろしくお願いします。

 

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